まずは会社の紹介をお願いします
はい、株式会社ホームテックは湘南地区でツーバイフォーの家づくりを行って、今年(2020年)の4月で、ちょうど25周年になります。1995年の4月設立です。
現在は湘南エリアを中心として年間70棟強を手がけており、ツーバイフォー工法の建築会社として地域No.1ビルダーを自負しております。
また当社は神奈川で初めて木造4階建てを建築した会社でもあります。
ホームテックの家づくりの特徴はどういうところでしょうか
2x4(以下:ツーバイフォー)の設計と建築どちらも自社だけで行えるというのが強みであり特徴だと思います。
多くの場合、建築はできるけれど設計は別のところで、またその逆というケースが多いのですが、弊社の場合はすべて自社で行うことができます。
そして設計者自身が営業を兼務しているのが最大の特徴です。現場の事情も把握していますから、設計のことでも施工、コストのことでもお客様の質問に対してその場でお答えすることができます。これは他ではなかなか無いのではないかと思います。
このレスポンスの良さが、悩まれている最中のお客様に「とてもわかりやすかった」と好評を得ているところだと思います。
当社は、プランニング、設計、施工そのすべての過程において“わかりやすさ”を大事にしています。
ツーバイフォーの魅力とは何でしょうか
ツーバイフォー工法は木造でありながら、床・梁・天井の6面体で構成され、耐震性・耐久性に優れています。国内では、木造であっても防火地域で建築ができ、5階建てまで建築可能な工法でもあります。
またツーバイフォーはグローバルな工法で、どの国でもほぼ見られる建築工法です。
世界の中でたくさんの木造住宅がこのツーバイフォーで建てられています。これは技術的な面も含め今までの成果が認められているということなのですね。
ただ、日本においてはまだまだその認知度が低いと感じています。日本では在来の木軸工法の工務店の数もとても多いですし、在来工法の人気がまだ高いですね。でもツーバイフォーの魅力をもっと知ってもらえたら、在来に負けない工法だと自信をもって言えますね。
でも最近はだんだんとツーバイフォーを選ばれる方が増えているので、そのうち逆転するのではないかとも思っています。
そしてコスト面ですね。
2×4の規格サイズ統一により、大量生産でコストダウンにもなり、RC工法と比べてもコストが格段に抑えられます。
皆さん、“注文建築=高い”というイメージをお持ちなのですが、実は建売を買う予算で、土地を買って注文住宅を建てることができるのです。実際ご相談を受けてお話すると、ご理解していただけて、「あぁ、自分たちの予算でもできるんだ」ととても喜ばれるんですよ。 でも、なかなかお客様はそれを知るきっかけがない。注文建築でも建売を買う予算内でできるんですよということを多くの方に知っていただきたいですね。それを実現するのがツーバイフォーです。
地域No.1の建設棟数を誇るホームテックですが、選ばれている理由はどこにあると思いますか。
お客様に聞いてみると、まず思っていた予算に合ったということと、自分たちが思い描いている家の雰囲気を含め、住宅の出来上がりがイメージしやすかったと言われます。あとは「ここなら安心して任せられると思った」という感想をいただいています。
ツーバイフォーはその先にあるもので、まず家づくりの会社として信頼していただけているのかなと思っています。
25年やってきて、日本のツーバイフォーの歴史の一翼を担ってきたと思いますし、同じくツーバイフォーを扱っている会社のなかでもうちは古くからやっていますから、技術的な研鑽、蓄積もありますので、お客様からはそのあたりも当社を選んでいただくひとつの基準になっているのではないかと思います。
あとは湘南地区という地形的なものや地域性を熟知しているというところですかね。
防火、耐震性、機密性、コストなどよいところばかりのツーバイフォーですが、在来工法に比べてデメリットなどはありますか?
これがですね、ひとつだけあるのですよ。
構造がかなり強固で合理性がよい構造なのですけれど、その反面、1階と2階の間が薄いのですね。
在来工法は梁があるのでその分1階と2階の間が大きいのです。
それによってどのような影響が出るかと言うと、機密性は高くなるけど音が伝わりやすくなってしまいます。
これを解消するために弊社では上下階の間に防音・断熱材の「ロックウール」を入れています。これによって防音性の問題はほぼ解消されます。さらに当社が建てる家は全棟の床に防火敷きが必要でない場合でも、2階以上の階に石膏ボードを敷いています。石膏ボードは防火以外にも防音の効果があります。このロックウールと石膏ボードにより音の問題はカバーしています。
ロックウールを1階と2階にも入れているのは他社ではあまりない弊社の特長だと思います。
リフォームについてはどうでしょう?
ツーバイフォーをリフォームできる会社って少ないんですよ。結局ツーバイフォーの建築工法を知らないとできないわけですから、ツーバイフォーをよく知らない業者さんに頼んでしまうと、「いや、この壁は抜けないですよ」とか「ツーバイは増築ができない」とか平気で言われてしまう。ここが大きく勘違いされているところです。
でもツーバイフォーを知ってさえいれば自由度はとても高くて、リフォームもいかようにもできるということがわかります。むしろ在来より簡単にできるのです。
例えば当社が建てた家でなくても構造図さえあれば何十年経った家でも大丈夫です。在来工法の場合、梁や筋交いがあってデコボコになったりするのですが、ツーバイフォーの場合は天井も壁もスッキリ取れますから、よほど簡単です。
先日もうちが建てたお客様ではなかったのですが、ご主人の書斎が現在2畳でそれを3畳にしたいというご依頼があって、綺麗に1畳分広くしましたし、別お客様でもダイニングが狭くて「あとちょっとだけ、45cm広くしたい」なんて依頼があって、そんな依頼でも「大丈夫です、できますよ!」と(笑)。実際綺麗に増改築させていただきました。
ツーバイフォーを知っている我々ならその様な依頼も柔軟に対応できますから、工期も短く済みますし、お客様がご不安にならない増改築ができます。
25年やっていると、最初のころのお客様は歳月を経て家族構成や生活環境が変わってきています。
ご年配になられたお客様が1階に寝室を持ってきてほしいとか、2階だったリビングを1階にして欲しいという依頼が来たりしています。
ツーバイフォーは次の展開が考えやすい工法でもあるのです。
2階建てのモデルハウスをショールームの中に建てているという、とてもユニークなショールームをお持ちですが、この発想はどこから来ているのですか?
ひとつはお客様への時間的配慮と安心のためですね。建物が見たいといえばすぐに見られるという。
建築現場へお連れすることも可能なのですが、そうすると弊社でお打ち合わせして、では現場へというと半日から1日がかりになってしまうのですね。お客様としても多くの時間を取られてしまいます。ですのでいっそのことショールーム内に住宅を建ててしまおうということになりました。
小さいながらも“本物”がそこにありますから、お客様からも実際の感覚がつかめて非常にわかりやすいと好評を得ています。
大事なことはお客様へわかりやすさの提供だと考えています。
家づくりとの出会いは何だったのですか
実はですね、初めから家づくりをやりたいと思っていたわけではないんです。
私が学生時代、コンピューターが世に出始めた頃で、コンピューターを使ってプログラミングをする仕事に憧れましてね、将来はプログラマーになりたいと思っていました。
でも様々な理由で断念せざるを得なくなったときに、時代はバブル全盛期でしたから、不動産建設業界が非常に好調だったのですね。それで建設業界に挑戦してみようと。当時は建築の知識なんてありませんでしたから、営業職として一からのスタートでした。
そこからずっと現場を学びながら、勉強も相当しましたね。宅建(宅地建物取引主任者)や、建築士免許も働きながら取りましたしね。
実際に家づくりに携わってみてどうでしたか
もともと私はものづくりが好きなんですよ。
プログラマーがやりたいと思っていたのもそういう理由ですし、何もないところから作り上げるというのは最初大変でしたが、どんどん楽しくなっていきました。
私は営業担当でしたけれども、そのうち自分でプランニングすることも始めたのです。そしたらちょうどCAD(PCによる設計支援ツール)が登場して、そのCADが面白くて自宅にも導入してひたすらやりましてね、独学で覚えました。今まで手書きだったものが図面として出来上がってきて、それをお客様に提案できるってすごいなと。それが今の営業 + 設計のスタイルにつながっているという感じですね。
その後、ホームテックを設立することになります
先ほどお話ししましたが、元々はハウスメーカーに勤めていて営業をやっていたのですが、将来のことも考え、個人受注も少しはじめていたんです。
当時5件くらい受注が来たときに、個人でやっていくかこのまま二足のわらじを履くか悩みまして、懇意にしていたある材木屋の社長に話を聞いてもらったらその社長は「二足のわらじは無理だ。今なら選べるだろう」って背中押してもらって、「はい、辞めます」と(笑)。そんな感じで決めました。
結構急でしたから、会社には、当時担当していた現場を退職した後もすべて完成まで責任を持って仕上げる約束をし、その代わり会社には取引している業者と引き続き取引させて欲しいということを頼みました。それを了承してもらい、当時一緒にやっていた業者さんとは会社を設立してからもずっと一緒にやっています。今の取引業者の半分以上は当時の業者さんですからね。
この仕事のやりがいとは?
お客様は住みたい家のイメージを漠然と持っていらっしゃるのですね。具体的にはわからないけど漠然と。それを我々が目に見えるかたちで具体化してあげることで「あぁこういう風になるのか」とか「そうそう!こういう感じ」と、お客様とイメージを共有することができるのですね。
それまではマンションや建売など出来上がっている物に住んでいますから、皆さま何かしら不満をお持ちです。それが新しい家づくりをとおして解消されていく、いわば“喜びの家づくり”になっていくのですよ。その“喜びの家づくり”を提供してあげられることが私たちにとっての喜びですし、ご納得いただけるものを作り上げていくことが一番のやりがいですよね。
設計者としては、土地はひとつとして同じものがないですし、お客様のご要望も毎回違います。そのひとつひとつの条件に対して最高のものを作ることができたときの達成感や満足感はこの仕事ならではですね。
嬉しかったお客様のひとこと
よく覚えているのが、もう20年ほど前になりますが、とても若いお客様だったのですがお引き渡しのときに「岩﨑社長に家を建ててもらって嬉しかった、ありがとうございました!」って言われたんですね。握手までされて(笑)
素直に嬉しかったです。「これからもツーバイフォーの家をたくさん建ててください」って。
今でも忘れられないですね。
少しプライベートな質問も。休日は何をして過ごされるのですか
起業して10年はほとんど休みなく働いていたのですが、10年経ってから良い仕事をするには気分転換も大事だということを思いましてね。時間を作ってあちこちに短い旅に出て、美味しいお酒や美味しいものを食べたり温泉入ったりしてます。突然思い立ってゴルフ行ったりもしますね。
社長から見てホームテックはどんな会社ですか
各パートごとの選抜メンバーがいるという感じですね。少数精鋭というか。
それぞれのパートの人間がとてもできるので、お互い厳しく切磋琢磨している状態ですね。
少ない人数で多くのことをこなしていますから、皆、能力はどこに出しても抜群だと思います。
皆集中して仕事していますが、社内の雰囲気も殺伐としているわけではなく、オンオフの切り替えもはっきりしてますね。
創立25周年を迎えました。大きな節目だと思いますが、改めて振り返ってみていかがですか
大きすぎる節目ですね(笑)
時間的に言うと早かったですね、あっという間に25年というか。
でも出来事で振り返ってみると長かったなという思いもあります。色々なことがありましたから。特に最初の5年くらいはあんまり記憶がないくらい早かったですね。
会社のリズムでいうと、一般的には20年でひとつの体制が出来上がってしまうので、次の10年、20年のために、新しい形を考えていかないといけないという想いがあります。
今後の展望や夢を聞かせてください
今はここ町田の本社でほぼすべての対応をしていますが、ゆくゆくは藤沢や鎌倉など各行政区ごとに支店を構えて、今のクオリティを落とさず、より多くのお客様にサービスを提供できる体制を整えていきたいですね。
最後に、岩﨑社長にとって「家づくり」とは?
家というのは、家族や自分にとっての落ち着ける場所なんですよね。
我が家だったり、自分部屋があったりするだけで、それは“戻れる場所”があるということなんですよ。
私にとっての家づくりとは、このお客様にとっての大事な場所をどれだけの想いを注いで作れたか、建売とは違うそれぞれのお客様のため想いを込めて作れたかというところだと思います。