木造耐火建築で、葬祭場は建築は可能か気になる方もいるのではないでしょうか。
葬祭場は、耐火建築物でなくてはいけません。
特殊建築物として考えられる葬祭場について、今回は詳しく解説をしていきましょう。
この記事を読めば、葬祭場の建築に関してだけでなく、木造耐火建築で建築をする葬祭場を理解することができます。
- 木造耐火建築で建築する葬祭場
- 木造耐火建築を選ぶメリット
- 葬祭場が建設可能な地域
木造耐火建築で葬祭場を建築
葬祭場と聞いて、何を思い浮かべますか?
故人の最期を、家族や親しかった人で見送る場所となります。
葬祭場は、故人だけでなく遺族の方にとっても、大切な場所なのです。
そんな葬祭場ですが、耐火建築である必要があります。
- 葬祭場が耐火建築である必要性
- 耐火建築の詳細
この章では、上記2つの詳細を解説していきます。
葬祭場をこれから建てたいとお考えの方は、特になぜ葬祭場が耐火建築でなければいけないのか、確認をしておきましょう。
葬祭場は耐火建築物対象の特殊建築物
葬祭場は、特殊建築物として考えられます。
そして、特殊建築物は耐火建築で建設しなければなりません。
”(建築基準法第2条第二号)
学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいう。”
上記に記載があるように、葬祭場は「集会場」として、考えられるのです。
また、床面積の合計が200㎡を越える場合も、特殊建築物だと考えられます。
例えば、ホテルや学校で火災が起きた場合、耐火建築でなければ大変な被害となりますよね。
そのため、葬祭場は耐火建築物で建設する必要があるのです。
耐火建築の詳細
耐火建築と言われても、中々具体的なイメージが湧きませんよね。
耐火建築には、RC造を初め、鉄骨造、そして木造耐火などが耐火建築として挙げられます。
耐火建築の定義を一度確認しておきましょう。
耐火建築物とは、建築基準法によって定められています。
火災などの災害時などに備えて、被害を最小限に抑えるために建設される建物です。
人がたくさん集まる場所だと、避難する際時間がかかります。
避難しているうちに、建物が崩壊してしまうと意味がないのです。
また、耐火建築物の近隣の建物に更なる被害が増えないよう、耐火建築物にすることで被害を最小限に抑えることができます。
建物の主な構造となる壁や柱などは、1〜2時間は耐えられるように設計する必要があるのです。
建物の構造部分と、建物自体の階数によって耐火時間は変わります。
構造部分/耐火時間 | 2階以上4階未満の建物 | 5階以上14階未満の建物 | 15階以上の建物 |
壁 | 1時間 | 2時間 | 2時間 |
外壁 | 1時間 | 2時間 | 2時間 |
屋根 | 30分 | 30分 | 30分 |
柱 | 1時間 | 2時間 | 3時間 |
階段 | 30分 | 30分 | 30分 |
床 | 1時間 | 2時間 | 2時間 |
はり | 1時間 | 2時間 | 3時間 |
木造耐火建築がおすすめの3つの理由
RC造や鉄骨造より木造耐火建築をおすすめする理由が気になりますよね。
木造耐火をおすすめする理由は、3つあります。
- コストを抑えられる
- 木の温もりを感じられる
- 防音性や気密性が上がる
故人の最期を見送る場所だからこそ、木造建築が向いているのです。
より詳しく3つの理由について、考察していきましょう。
理由①:コストを抑えられる
1つ目の理由は、コストが抑えられることです。
具体的な数字を例にしてみましょう。
30坪2階建ての建物を、RC造・鉄骨・耐火木造で建築したとします。
結論からお伝えすると、RC造と耐火木造とでは、約1,000万円もの差額が出るのです。
RC造であれば約3,000万円、鉄骨造は2,600万円、そして木造耐火は2,000万円の費用が予想されます。
コストが抑えられるのは建築費用だけではありません。
なんと、火災保険料も安くなるのです。
耐火建築と非耐火建築の場合、耐火建築の方が火災保険料は約60%ほど安くなります。
非耐火建築 | 耐火建築 | |
火災・落雷・破裂 | 81,600円 | 51,000円 |
風災・ひょう災・雪災 | 93,900円 | 40,200円 |
水漏れ・衝突・物体の落下 | 20,400円 | 23,100円 |
水災 | 122,400円 | 40,800円 |
諸費用(臨時費用・地震火災費用) | 106,200円 | 57,000円 |
合計 | 424,500円 | 212,100円 |
(※当社調べ)
数字にすると、差が分かりやすいですね。
葬祭場は民家とは違い、宿泊スペースを設けたり、会場が広かったりと例で挙げた二階建ての一軒家よりも更なる建設費用がかかると考えられます。
少しでもコストを抑えたいのであれば、木造耐火は葬祭場に最適な建設方法だと言えるでしょう。
理由②:木の温もりを感じられる
2つ目の理由は、木造建築ならではの温もりを感じられることです。
コンクリートや鉄骨とは違い、木造には自然の温かさがあります。
故人を送る最後の場所として、最も優れている材質ではないでしょうか。
理由③:防音性や気密性が上がる
3つ目の理由は、木造建築が防音性や気密性に優れていることです。
葬儀には、たくさんの人が来ることが考えられますよね。
葬祭場だとは言え、多くの人が集まれば騒音問題に繋がる可能性があります。
しかし、木造は音を吸収するので防音性に優れているのです。
防音性だけでなく、気密性にも優れています。
熱伝導率が低いので、夏は涼しく、冬は暖かい環境となるのです。
そのため、室内を一定の温度に保つことができます。節電ができるのです。
見た目の温かさだけでなく、内側からも木の性質の温かさを感じることができます。
【要確認】葬祭場が建築可能な場所
葬祭場ってどこにでも建てていいわけではなく、葬祭場が建築可能な場所は限られています。
第一種低層・第二種低層・第一種中高層・田園住居には、葬儀場を建設することができません。
第一種低層とは、高さが10m〜12mまでの低層住宅専用の地域です。
閑静な住宅街に多いのが低層地域となります。3階建てまでは建築可能ですが、葬祭場は建築をすることができません。
葬祭場が建築可能な地域は、第一種住居地域や第二種住居地域などが挙げられます。
第一種住居地域とは、ホテルや環境に影響が少ない工場などが建てられているような地域で、低層地域に比べると活気があるような地域です。
しかし、建築可能地域以前に1つ問題があります。
近年、住民が葬祭場を建設すること自体に反対をしていることが多いようです。
反対の理由としては、騒音問題や遺体が出入りすることが理由として挙げられているようです。
近隣住民とのやり取りが、葬祭場を建設するに当たって重要なポイントとなるでしょう。
まとめ
木造耐火建築で葬祭場が建設可能だということをお伝えしました。
もちろんRC造や鉄骨造でも建設は可能ですが、木造耐火建築にはRC造などには無い3つのメリットがありましたね。
- コスト削減
- 木の温もり
- 防音性や気密性の高さ
葬祭場の建築をご検討の場合は、ぜひ木造耐火建築で建設をしてみてはいかがでしょうか。
弊社ホームテックは、木造耐火建築を最も得意としております。
まずは是非、気軽にご相談ください。